
海外では「グラインドハウス」の名で2本同時上映されたタイトルですが、こちらではそれぞれ単独上映という形式になっちまいました。
まぁ、当然のようにどちらも観に行ったわけですが。
場末の名画座で2本同時上映されてるような、いかにもな安物映画を再現しようという酔狂な企画。
わざとセックス&バイオレンスが売りのエクスプロイテーション映画っぽく撮ってるのがミソ。
いかにも古いフィルムみたいなエフェクト加工を施したり、素っ頓狂なボリューム変化する劇伴を被せたりする演出なんかは、「キルビル」なんかでも既にやってましたな。
ボンクラ映画大好きな当方なんかは、色々と思い出と笑いのツボを押されまくりで愉快千万だったのですが、スタッフロールが始まった途端に超早足で上映会場から立ち去って行ったあのOLのお姉さんは、ひょっとしたら怒っていたのかもしれん。
特に「デス・プルーフ」が、ああいう終わり方した後だったし。
■デス・プルーフ 不気味な殺人スタントマンが耐死仕様(デス・プルーフ)のモンスター・カーを武器に、小生意気なビッチどもを片っ端から轢殺していくという典型的なスラッシャー映画。
ただし、前半までは。
劇中ほとんどが、女同士の心底どうでもいい会話に費やされているというのがスゴイ。
これがまたやたらと生々しい会話だらけで、とてつもないビッチ感。
タランティーノ監督は、やっぱりこの手のバッドガールズを描かせると抜群に上手いなー、と。
スタントマン・マイクに敢えてあのカート・ラッセルを配役しているのも絶妙。
おかげで後半からの展開が抱腹絶倒モノに。
つーか、ぼくらの
スネーク・プリスキンになんてことさせやがる!
で、挙句の果てがあのエンディングですよ。
思わず声出して笑ってしまったので、こちらの負けだ! くやしい!
■プラネット・テラー こちらは軍事利用目的で開発された化学兵器の事故が原因で、田舎町がゾンビの巣窟に! という、これまた典型的なゾンビ映画。
ただし、サバイバルする連中が揃いも揃って一筋縄ではいかない変人ばっかなので、どんどん素っ頓狂なアクション映画にシフトして行くというのが、いかにもロドリゲス風味。
「デス・プルーフ」ではたいそう可哀想なことになってたローズ・マッゴーワン姐さんが、こちらでは片脚マシンガンの女傑になってて大爆笑。
つーか、なんだその無理矢理な勇姿は! カッコよすぎる!
あと謎の男エル・レイの正体に関する一連のやりとりが、いわゆる
マクガフィンを使った高度なギャグになってて大変面白ろうございました。
あれだけ犬猿の仲だった保安官が掌返したように謝りだすとは、一体何者だったのだろうか?
くそー、あんな不幸な事故さえなければー(←限りなく棒読みで)
やっぱりロドリゲス監督の作品は、これくらい無茶やってこそ光り輝きますやね。
久々の快作だったのではないでしょうか?
でも正直言うと、偽予告編でやってた「マチェーテ」の方が万倍観たかったつーか、なんつーか。
そして、今更あのワイルドな豪傑が「スパイキッズ」シリーズのマチェット叔父さんと同一人物だったと知って大驚愕。
若い頃は随分とヤンチャしてらしたんですね、叔父様。
しかし、やっぱアレですやね。
多くの方々が指摘していた通り、何かと快適なシネコン施設なんかでこの映画を観てると、つくづく倒錯した楽しみ方してるなぁ、なんてしみじみと。
こっちだと天六ホクテンザか新世界国際劇場なんかで観るのが、正しい鑑賞法のはずだよネ!
posted by dynamite at 00:39|
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爆弾パンチ郎
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