2004年12月04日

「ハウルの動く城」(宮崎駿監督)

今やある種の国民的行事となった感すらある、宮崎駿監督最新作。
原作はダイアナ・ウィン・ジョーンズによるファンタジー小説「魔法使いハウルと火の悪魔/ハウルの動く城1」

「荒地の魔女」の呪いによって90歳の老婆にされてしまった18歳の少女・ソフィーと、自由奔放・軽妙洒脱ながらも、どこか暗い陰を感じさせる天才魔法使いハウルとの恋の顛末を、大国間の戦争を絡めて描くロマンチックなファンタジー作品。
昨今の宮崎作品としては珍しく、今作はある意味大変ストレートでわかり易い内容。
穿った観方をすれば、あいかわらずそこかしこに無数の暗喩が見受けられ、観る人によって万華鏡の如くその印象を変える懐の広さも当然持ってはいるが、そういう観方をしなくても全然楽しめるのでなんら問題なし。
特に恋人や気になる異性と観に行く分には、申し分のないデート映画になっとります。

この作品はどちらかというと始終ソフィー寄りの視点で進行。
ハウルは蟲惑的で頼りがいがあり、たまに弱い部分も露見して母性本能すらくすぐる、ある種理想の王子様。
そんなハウルとソフィーが繰り広げる少し不思議な恋愛模様は、幼い少女には憧れを、年頃の女性には異性や同性間でのそれぞれの恋愛論を、年配の女性にはありし日への郷愁を喚起させる幻想童話として十分な内容と言えましょうや。
個人的には本来なら華やがなければならないという「若さ」の持つ”呪い”を持て余していたソフィーが、老婆の姿になったことによってそんな自縄自縛の想いから解き放たれ、かえって生き生きと輝き始めるというドラマ展開が興味深かったりしました。

鑑賞前、最も気になっていた木村拓哉の声は、想像以上に作品に馴染んでいて一安心。
ちゃんとキムタクではなくハウルとしての芝居が成立していて、こういう浮世離れしたベタな優男演技もできるのか、とちょっと感心したほど。

久石譲の音楽はあいかわらず卑怯なほどの素晴らしさ。
郷愁やら愛しさやら優しさといった諸々の感情をビンビンに揺さぶってくれて、聴いていて大変心地よい。

とにかくいつものことながらトータルとしての作品完成度が高く、老若男女安心して鑑賞できる内容。少しでも気になっているのならば、早々に観に行くが吉。

追記.
のちに知人から聞いたところによるとこの作品、もとは細田守(「劇場版デジモンアドベンチャー」は傑作)監督作品として進めていた企画を急遽宮崎作品として作り変えたという経緯があるそうで。
なるほど。それで最近の宮崎作品としては少々こじんまりとした印象だったのかも。

公式サイト:http://www.howl-movie.com/


posted by dynamite at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 爆弾パンチ郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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