2004年12月23日

マガジンGREAT1月号 雑感

 2004年3月号から幾星霜、再び「Pumpkin Scisoors(パンプキン・シザーズ)」が表紙のマガジンGREAT最新号をGet Ride! アムドライバー!(あまりに危険な掴み)


■Pumpkin Scissors/第10話「甘い罠(トリック・イン・トリート)」

 アリス少尉、衝撃の結婚宣言から引き続き、マルヴィン三公女揃い踏みの巻。

 豪奢な舞踏会に軍の正装で赴こうとするアリス少尉もいかにもらしくて微笑ましいが、そんな彼女をなんとか華やかなドレスで着飾らせようとする次女エリス、長女ソリスの姉バカっぷりが妹アリスへの慈愛を感じさせて、これまたイイ。
 なるほどマルヴィン家は女系家族でしたか。
 後妻の産んだ5歳の弟(おお、今気付いたがこれって韻を踏んでいる!)アレンにいつ次期当主への資格を剥奪されるかもしれないというやっかいな家庭事情を抱えながら、怨むどころか慈しんでまったくドロドロとしないアリス少尉のきっぷの良さは、ホンマ五大陸に響き渡るでー!

 そしてアリス少尉の婚約者にして政財界の若獅子と称えられる実力者、レオニール・テイラーの登場。
 これがまた空気も読めれば頭も切れる才色兼備のいい男なんで、伍長も読者もイヤーンまいっちんぐ(死語)ってなもんですが……んー、これはまず間違いなく「銀の車輪結社」絡みの何者かではないかと当方愚考する次第でありますが、さて事の真相やいかに?

 うってかわって伍長はどうしているかといいますと、これがまた雨の日に捨てられた仔犬丸出しの風情で食糧配給支援任務なんかやってるもんだからたまらない。色んな意味で。
 いみじくもオレルド准尉が指摘していた通り、伍長が少尉に抱いている気持ちは恋愛というよりは信仰のそれに近いものなんでしょう。生きるよすがというべきか。
 一応アリス少尉の方でも伍長のことを気にはかけているようですが、まだ保護者的な感情の領域を出ていない様子。ホントこの先どうなることやら、この2人。

 で、今話もまたエライ引きで次号へと続くわけですが、これって来年に発売される3巻の最後に収録される予定の話でもあるわけでして……単行本派にとっては拷問以外の何ものでもないな、それ。

■ゆずき

 月刊少年マガジンで「クソガキ」を連載中の平川雄一先生による特別読み切り作品。
 ある青年の青春の蹉跌とそれを彩った不思議な少女の物語。

 もう、めっっっっっちゃリリカル。
 身悶えるほどに。

 しかし、最後の最後に38歳独身・童谷先生の暑苦しいご尊顔を拝まされることによって、それまでの甘酸っぱい読後感はすべて台無しに!
 グッジョブ、ポール・ニューマン!(←清らかな男子の湾曲表現)

■ミステリー・クラッシックス/ルブラン「八点鐘」より「テレーズとジェルメーヌ」

 森元さとる先生による、古典名作ミステリーのコミカライズもの。
 サブタイトルに「蘇る名探偵たち」とあるように、さまざまな名探偵が活躍する古典ミステリー小説を読み切り漫画形式で紹介してくれる。

 当方の好きな名探偵・ブラウン神父をかつて2話も取り上げてくれた為、実はけっこうお気に入りだったりする。

 今回も前回に引き続き、世界で最も有名な怪盗アルセーヌ・ルパンが主人公。
 森元さとる先生の描くルパンは異常にくせがあり、なおかつチャーミングな面構えをしていて最高。やはり怪盗紳士にはなにはなくともカイゼルひげが必須じゃよ?

 ちなみに今作で特に顕著だった漫画表現として「ショックを受けた女性の口を描くのをわざと省略する」という独特の方式が見受けられたが、これなんか今だ未完の超ド級大河少女漫画「ガラスの仮面」における「ショックを受けた登場人物はすべて白目になる」表現とよく似てたりして、そういう昭和の香りがする作風がかえって面白い。

 こういう面白いがどうしても作りは地味にならざるをえない燻し銀な漫画をじっくりと掲載できるってのもGREATならではの強みだなぁ。

■武打星/第4話

 ついに運命のオーディションが開幕。
 が、その様子があまりにも超人オリンピックだったので大爆笑!
 いや、それでこそ!

 展開の方も勝負ものの醍醐味に溢れまくっていて、あいかわらず熱い。
 タイ代表の選手の名前が「ジミー・ジャー」だったりする節操のなさもステキ。
 一つ、CGは使いません!

 ただ、最近「憧れの君」たるリンホウの描き方が少々おざなりなのが気になるところ。
 主人公にとって香港映画界へ飛び込む動機の担い手としての役割は果たしているが、少年漫画のヒロインとしての引きはまだまだといった感じ。
 もう少し(武にとって)魅力的に描いてもバチは当たらんと思いますぜ?

■FURLONG!/第17話「果てしない直線」

 おーもーしーろーいー!
 こちらも勝負ものの面白さでガンガン魅せてくれる。

 アルゼンチン杯最後の直線勝負、互いの技術と戦略がぶつかり合い、男の意地と意地が激しく火花を散らす最終ハロン!
 新人2人がベテランを眼中に入れず激しく競り合い、その態度にいつもは冷静なベテランもどんどんヒートアップしていくという展開の熱いこと、熱いこと。

 そしてついに天才騎手・志賀武見との直接対決も間近に迫る。
 空恐ろしいほどの実力と才能を誇る志賀を相手に、果たして一騎に勝機はあるのか?!
 有馬記念で激突する2人の勝負の行く末やいかに。


posted by dynamite at 20:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 爆弾パンチ郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
相変わらず見事なまでの読みっぷり。
君に買われたGREATもさぞ本望でしょう。
FURLONG!を読んでいて思ったのですが、ああいう
「その業界の職人としての考え方」とかは
どうやって搾り出してるんでしょうね・・・特にベテラン陣の葛藤とか
やっぱり取材でインタビューしたりしてるんでしょうか?

ああいう現実世界における職業を漫画にするのって、リアリティの保持と
盛り上がりのためのフィクションのバランスとりが
凄く大変そうです・・・
Posted by 岩永 at 2004年12月26日 17:47
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