2005年05月11日

剣客・十兵衛ここにあり! 「柳生十兵衛七番勝負」


20050511db5a4cb1.BMP柳生十兵衛。
幕府総目付、柳生但馬守の嫡男にして、その剣、天下に並ぶものなし。

流浪の旅にあった十兵衛が10年ぶりに再会した父から聞かされた、天下転覆の大陰謀。
陰謀の首魁は、恐るべき剣客、戸田勘解由(とだかげゆ)。
諸国に蠢く陰謀の根を断ち切らんが為の旅が始まる。

十兵衛の前に、今日も新たな敵が立ち塞がる。

(オープニング・ナレーションより)


先日、最終回を迎えたNHK金曜時代劇「柳生十兵衛七番勝負」

人情時代劇が幅を利かす昨今のTV時代劇情勢において、久々に本格志向の剣豪時代劇を見せてくれて、やたらと痛快至極でございました。

しかし、あまりにひっそりと始まりひっそりと終わってしまった為、ひょっとしたら世間はこの面白さに気付く暇すらなかったのではないかしらん? このまま何事もなかったかのように知る人ぞ知る作品として忘れ去られてしまうのではないかしらん? と、妙に不安な気持ちが群雲の如く湧き出してきたのも、また事実。

よって以下、ネタバレ上等・著作権違反の危険を冒してでも、この時代劇の面白さをなんとか当Blogでも布教しておこうと余計なお世話もいいところな決心をした次第。
一応今後DVD化も予定されている作品ですが、気になる方はさぁさお立会い!

原作は津本陽氏の同名小説。
津本氏は自身も剣道と抜刀術の有段者であり、その剣術家としての経験を生かして数多くの剣豪小説を執筆しておられますが、今作品もまたその中の1つ。

yagyu02
柳生新陰流にその名も高き剣客、柳生十兵衛を演ずるは村上弘明氏。
当方としてはどうしても「仮面ライダー(スカイライダー)」の筑波洋か、「必殺仕事人X」の花屋の政あたりのイメージが強いんですが、最近だと「八丁堀の七人」の青山久蔵や「銭形平次」の銭形平次などが連想されるんでしょうね。
今作の十兵衛もまた実に堂々たる男っぷり。
相変わらず爽やかなのに加えて、何より目に力があるのが素晴しい。
刀の鍔を眼帯に、剣を取っては天下無双、奔放な風来坊にして柳生但馬守の密命を受けた隻眼の隠密というトラディッショナルスタイルな十兵衛を熱演しておられます。

yagyu03
また十兵衛の旅の供となる伊賀忍者2人組のうち、老忍者・佐山寛平を演じた苅谷俊介氏はさすがのベテラン俳優さんなのでさておくとして、もう一方の西岡大次郎を演じた高野八誠氏の方にみなさんご注目ー!
そう、「ウルトラマンガイア」ではウルトラマンアグルこと藤宮博也、「仮面ライダー龍騎」では仮面ライダーライアこと手塚海之を演じていたあの高野八誠君ですよ!
つまり何気に新旧ライダー共演でもあるわけで、いやはやなんとも感慨深い。

yagyu04
あと、なにより忘れてはならないのが陰謀の首魁にして恐るべき剣客、戸田勘解由を演じられた松重豊氏。
これがまた役にドンピシャな凶相に渋い演技で実にカッコいい!
シリーズを通して暗躍し、最後の最後に十兵衛と剣を交える最強の敵役として、大変魅力的な存在でした。十兵衛と対をなす影の主役といえましょう。

また、当作品は一話ごとに敵剣客との一騎打ちで幕を閉じる構成になっており、各話で対決する剣客を演じられた方々も実にバラエティーに富んだ面々でした。

yagyu05
まずは第1話で対決した戸田勘解由の実弟にして影武者、戸田次郎兵衛。





yagyu06
第2話は争いを好まぬ高潔の士にも関わらず、遺臣たちから謀反の旗印として祭り上げられてしまい、散っていかざるをえなかった悲劇の剣士、中村半左衛門。
演ずるは”ぐっさん”こと山口智充氏。


yagyu07
第3話では柳生道場に門下生として潜伏した刺客にも関わらず、全てを捨てて想い人と幸せになる道に懊悩し、結局最後は剣客として散っていった島田無念。
演ずるはダンカン氏。


yagyu08
第4話は藩に対する忠節ゆえに隠密たる十兵衛と戦わざるをえなかった人徳厚き巌流剣士、多田左兵衛。
こちらはさすがの貫禄、伊吹吾郎氏。「水戸黄門」の角さん役なんかが有名ですね。
大柄な俳優さんだから、殺陣もダイナミックで迫力のあること!

yagyu09
第5話では親子で政に翻弄され続けた結果、人の命をまったく顧みない恐るべき怪物と化してしまった若き抜刀術の遣い手、市橋勘左衛門。
演ずるは狂言役者の茂山逸平氏。さすがは若き伝統芸能の担い手、殺陣をはじめとした全ての動きに凛としたキレがあって好印象でした。

yagyu10
また同じく5話にて、己が道に悩む十兵衛に剣客としての生き様を諭した大剣豪、宮本武蔵。
演ずるはなんと世界の千葉ちゃんこと千葉真一氏!
もう所作から台詞回しまで、何もかもがカッコイイ。やっぱり凄いよ、サニー!
もちろん柳生十兵衛といえばかつて同氏の当たり役でもあった為、こちらもまた新旧十兵衛対決という実に粋なことになっておりました。

とまあ、とにかくかように濃い面子が毎話毎話、村上十兵衛と丁々発止のチャンバラ勝負を繰り広げるという寸法。
今作で十兵衛が戦う相手はいずれも悲劇的な剣客が多いのも特徴で、皆、止むに止まれぬ事情や葛藤の末、「事ここに至っては、もはや剣で決着をつけるしかない」との覚悟をもって十兵衛と斬り結びます。
彼らの屍をも踏み越えて行かねばならぬ十兵衛の哀しみ、如何ばかりか。
最後の対決へと至るその辺りのドラマも今作品の見所のひとつであります。

そしてなんといってもこの作品の特徴は緊張感漲る殺陣のカッコよさ!
演出の長沖渉氏が目指していたのは「痛みのある殺陣」だそうで、なるほど、確かに凡百のTV時代劇的な殺陣とは一味違ったものに仕上がっています。

yagyu11
マンガのコマ割りを意識した画面分割などの風変わりな演出も意欲的に取り入れたりと、とにかく製作側の心意気が伝わってくる映像が素晴しい。
特に毎回最後の一閃が必ずスローモーション演出になる辺りなんぞ、実にわかっていらっしゃる!

とまあ、かように大変イカス時代劇だったわけであります。
金曜時代劇にはまた是非この路線で新作を作っていただきたい。
せっかく週刊ヤングマガジンせがわまさき氏の新作「Y十M〜柳生忍法帖〜」も始まったことですし、ここはひとつ、また村上十兵衛主演で「柳生忍法帖」を是非!


posted by dynamite at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 爆弾パンチ郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。