2006年10月23日

「Pumpkin Scissors」第19話 雑感

 いま日本でいちばん読まれている月刊少年誌、月刊少年マガジンという桧舞台を得て、ついに始まった新連載。
 GREATからの途中移籍連載ということもあり、詳細な既出データのまとめページまで用意されております。
 これがまた未読者のみならず、ファンなら必読の充実した内容。
 尿瓶の死天使ロゼッタちゃんの名前なんて、公式ではここが初出じゃないでしょうか?
 まだ未読の愛読者諸氏は購読をお早めに!

■Pumpkin Scissors/第19話「Letter the Later」

 戦後の混乱に乗じた帝国郵便局員たちの横領事件を摘発する任務を受けた陸情3課。
 「届かなかった手紙」を巡り、戦争を知る者と知らざる者の想いが交錯する。
 アリス少尉と伍長の心中も、また。

 ユーゼフ司令官の事件からこっち、「戦場を知る者」である伍長との心の距離を意識し始めたアリス少尉。
 相手と同じ価値観を共有できないことを寂しく思うその気持ちが、誰かを恋慕う時のそれと似ていることなんて、いまだ気付きもしてないんでしょうなぁ、この愛すべき吶喊少尉殿は。
 はたして2人が本当の意味で心重ねるのはいつの日か?
 まだまだその道のりは遠く険しく、果てない気もするけれど。

 そしてとうとう登場した「帝国陸軍情報部第2課」
 いまだどのような部署であるのかは劇中語られていませんが、早くも不穏な空気。
 次号以降の展開やいかに?

 さて今回、はじめて伍長の家族として母親がその回想に登場したわけですが、ここで今回与えられた断片的な情報から推察される、ある推理をひとつ。
 かつて伍長が母親に出した手紙には「通りの名前と店の名前だけ書いて」とあり、その手紙には「Lotus Street Qadesh」の文字。

 「Lotus Street」は「ロータス・ストリート」、すなわち「蓮(ハス)通り」の意味。
 「Lotus」とは一般的に「蓮」として訳される英語なわけですが、蓮は泥中に根を張り、水面に美しい花を咲かせることから、大地の豊穣と生命力を司る植物として、古来より様々な伝承において神聖視されてきました。
 古代ギリシアの叙事詩「オデュッセイア」には、このロータスの実を常食し忘却の快楽に浸る人々、ロータス・イーターなる存在が登場します。
 この伝承に登場するロータスの実を食べてしまった者たちは、たちまち忘我の快楽の虜となり、すべてを忘れてロータスの実を貪り続けるだけの自堕落で安穏とした日々へと耽ってしまうわけです。まさに魔性の果実。
 また、仏教において「泥中の蓮華」とは「悟り」そのものを意味し、仏像が座す台座である「蓮華座」は「極楽浄土」の象徴ともされました。
 これらの伝承から導き出される蓮のイメージとは、すなわち「忘我の桃源郷」

 さて、次に店の名前「Qadesh」ですが、これは「カデシュ」もしくは「ケデシュ」とも称される古代エジプトの女神の名。
 獅子の背に全裸で立つ美女の姿であらわされる官能的なシリアの女神で、主に愛と豊穣を司ったとされています。
 また、カナンの言葉では「神聖娼婦」(神殿に娼婦として仕えていた古代の巫女)の意味ともされ、娼婦たちの守護神ともされていたとか。
 
 これらのことから連想される伍長の母親の生業とは……
 また一つ、伍長のルーツへと至る手がかりが増えたような気がします。


posted by dynamite at 16:36| Comment(8) | TrackBack(0) | 爆弾パンチ郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
尿瓶死天使ロゼッタさんとオーランド伍長の絡みは最高です!もしかしたら原作の中で一番好きかもしれない?!アニメの中ではどんな風な映像になるのか!(笑) はっ!映像にならない可能性も!?私のTVには放送されないからDVD発売を待つしか...(号泣)未来の『PumpkinScissors』の為に金を稼がねばっ!!(目指せ!一獲千金♪)あ♪opテーマの『蒼き炎』予約買いしました♪最高です!感動して泣きそうになっちゃった(爆)お勧めですっ!!
Posted by 俺るど(爆) at 2006年10月26日 01:09
一言だけ言わせて下さい。



"死"って。
Posted by カコ=ヤシマ at 2006年10月26日 18:37
■俺るど(爆)さん

 俺るど(爆)さん、当記事にコメントありがとうございます!

 ロゼッタさんと伍長の仁義なき戦いはどうやら愛読者の皆々様におかれましても大人気のようで、岩永先生もノリノリで後日談を描いている甲斐があろうというもの。
 アニメの方でもあの現代医学の威信を賭けた熱い攻防が再現されるや否や、興味の尽きないところですよネ!

 DVD初巻も早々にリリース開始されるとのことで、同月に刊行予定の原作第6巻共々、楽しみなところです。

■カコ=ヤシマさん

 ナイスツッコミ!
 ですが、例のあの表情を見るに、決して大げさな表現じゃないと確信しています(笑)
Posted by 爆弾パンチ郎 at 2006年10月28日 20:51
はじめまして。
今放映を見終わったチバテレ受信者です。
予告でロゼッタさんきたぁぁぁぁぁ!
原作では最早装甲強化型まで登場したシビンですが、
これからどこまで行くのか考えるとワクワクします(w
Posted by 大江英明 at 2006年10月29日 03:07
そいやAT-Xでも放送決定ですな。
KBSだと受像状態がアレなんでありがたいこってす。
Posted by なべさん at 2006年11月01日 01:54
17話と18話の内容教えてください、みわすれちゃって・・・過去のやつみてもそこだけわ無かったんで。
Posted by 伍長 at 2006年11月07日 02:04
■大江英明さん

 はじめまして!
 当記事にコメントありがとうございます!

 というわけで、ロゼッタさんはアニメでもインパクト抜群の活躍をなされたわけですが、さすがにアニメでの再登場はもうないような気が……(笑)
 いやいや、先のことはまったくわからない以上、ありえない話ではありませんが!

■なべさん

 今以上に放映枠が拡がるのは嬉しい話ですやね。
 より大勢の人にこの作品を視聴してもらえるチャンスが増えるということですからして。

■伍長さん

 はじめまして、伍長さん。
 当記事にコメントありがとうございます!

 当方が記載した原作への雑感ということでしたら、その時期は月刊少年マガジン本誌への読み切り出張などが重なり話数表記が混乱していた辺りだと思いますので、基本的に記載漏れはありません。
 実際の話数は単行本になってみなければわかりませんが、基本的に雑感が記載してある順番が実際の連載の順番通りと理解していただければ問題ないと思います。
 紛らわしい表記で申し訳ない!
Posted by 爆弾パンチ郎 at 2006年11月08日 21:37
そうなんですか、では探してみます。それでもみつからなかったら教えていただけるとたすかります。ちなみにしりたいのは単行本5巻の最後話しの次の話しとその次です。
Posted by 伍長 at 2006年11月08日 21:42
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