
はて、そういえば前回の記事を書いたのはいつのことだったかしらん、とふと見れば、なんと5月の半ばってんだから驚き桃の木なんとやらですよ、アータ!
さすがにさぼりすぎた!
猛省してここに「パンプキン・シザーズ」最新巻発売を言祝(ことほ)ぐと共に、その間にすっぽかしてきた各話雑感やらもついでにまとめてやっつけちまおうというワタクシめの大概なズボライズムをどうかお許し下さい。
てなわけで、様々な陰謀と謎が交錯する緊迫の「カルッセル」編、その中編であります。
フランシア伍長の謎の暗号文書に端を発した、カルッセルを巡る陰謀の全容が遂に明らかに。
今巻では第25話「廻る街(3)」から第29話「帝国軍(FOOLISH ARMY)」までの全5話を収録。
■第26話「あたたかい雨」 通り雨が呼び起こした遠い日の追憶。
あたたかい雨が、凍てついた男の心をも溶かして行く。
「冷淡なヴィッター」がその奥底に抱えていたものが一気に露呈するお話。
こうして色々と明らかになってみると、フランシア伍長は「もういない」ことに意味のあるキャラクターだったんですなぁ、哀しいことに。
逃げるティラミスの心を開こうと、懸命に仔犬の鳴き真似をしてみせるヴィッター少尉の姿も大層グッと来るいい場面ですが、その行為に敬礼でもって敬意を表すアリス少尉の姿がまたごっつい男前でなぁ!
■第27話「即興世界(Instant Karussell)」 街の住人の心を今なお縛る哀しい「即興劇」の掟。
遂に明らかになったカルッセルの秘密。囚われの身となった少尉たちにも危機が迫る。
木馬の街を縛る忌まわしいルールの数々が明らかに。
戦争によって剥き出しとなった人間の弱さと醜さが、これでもかというほどに歪に絡み合い、戦後も延々と輪舞(ロンド)を踊り続けていたという、なんともやりきれんお話。
オーランド伍長に件の例え話を教えた「少尉」ってのは、やっぱり901時代の上官なんでしょうなぁ。
今後に絡む大きな伏線の一つとして、覚えておきたいところ。
■第28話「解ける氷(Confession)」 アーヴィーの不興を買ったアリス少尉に、共和国式拷問「釣鐘」の魔手が迫る。
一方、区長の機転によりカルッセルで起きている事態の一部始終を知ったハンクス大尉は、アリス少尉たちに救いの手を差し伸べるべく、その老獪な手腕を発揮し始める。
嬉々として拷問に興じる下衆野郎ばかりの国境警備隊の方々には、後々身の毛もよだつような恐ろしい運命が待ち構えているのでまぁいいとして、アリス少尉超強い! 超HERO!
フランシア伍長の残した謎のメッセージを聞いてからこっち、すっかり腑抜けになってしまったヴィッター少尉を他所にモリモリと状況を打破していく、その凛々しさ勇ましさ!
またその一方で明らかとなる、フランシア伍長とヴィッター少尉の過去。
はたしてフランシア伍長の真意はどこにあったのか?
アリス少尉はそこに隠された「なにか」に思い至ったようですが……?
■第29話「帝国軍(FOOLISH ARMY)」 カルッセルを支配する暴君の鉄馬、装甲列車に隠された秘密。
それは帝国軍部の歪なプライドが産んだ、愚かさの象徴だった。
いやー、やっぱ想像以上に歪んどるなー、帝国軍部。
イヤげな選民思想バリバリな上に、無理を通して道理を引っ込める、その態度!
まさに副題が示す通り「愚かな軍隊」ってなもんで。
どうやらブランドン中尉が亡命を企てたのも、そこいら辺に原因の一端がある様子。
そりゃ他がこの有様では、当然3課の連中なんざぁ異端扱いされちまうわけですわな。
破滅に向かって加速し始める愚者の回転木馬。
忌まわしい過去に囚われた街と民衆を救うべく、3課の面々が動き始める。
それはそうとして、マーチスさんはホンマに「パンプキン・シザーズ」いちのすべり知らずやで!
今回のインターバルでは、陰鬱な本編における一服の清涼剤どころか、もはや劇薬レベルとも言える益荒男(ますらお)ぶり。
さすがは七姫さまのお気に入り。ただのタートルネックではないな!
あと恒例のカバー折り返し予告に陸情2課長「ラインベルカ少佐」登場!
ラインベルカ?! つーことは、もしかしてあの眼鏡ビューティーのお姉さまですか?!
本編でのご登場とご活躍を、今から楽しみにお待ちしております。